企業と在留カード

 新しく外国人を雇用した企業、外国人学生を受け入れた学校もその外国人の情報を届けなければなりません。
 これは、今回の入管法改正で新しく登場した義務です。在留資格が日本人配偶者として働いていた外国人が、その在留資格が取り消しになり、働くことが違法となるケースもあるからです。
 企業側は、雇用、役員就任、解雇退職に関する情報をその事実が発生してから14日以内(入国管理法に基づき)に地方入国管理局に届け出なくてはなりません。この届出に関しては、出頭の他、郵送によっても認められることになりました。

届出の義務

 従来とは違い、在留途中の転職、退職、転校、退学、離婚もすべて届け出の義務になります。届出を怠たると日本での在留資格が取り消しになる可能性があります。

労務担当者に求められるもの

 今後、企業の労務担当者に求められるのは、在留カードの番号と記載情報の管理です。例えば、他県の他の事業所に配属先を変えて、居住地も変えたのに、会社側でその手続きを入国管理局に届けていないと管理責任を問われることになります。労務担当者は、日本国内で使用する外国人の情報で、在留カードに記載されている内容については、正確に情報を入手し、保存することが求められます。同時に、ハローワークまたは入国管理局への報告義務を果たしていないと、企業としての信用度が落ちて、以後の外国人雇用のための在留資格取得の実務が厳しくなります。

雇用対策法との関係

 直接、入国管理局にする手続きではないですが、2012年7月以降は、雇用対策法が厳格に運用されることになり、企業の外国人社員情報を、ハローワークのホームページから電子通信の手法で、登録し、就職の場合も、退職の場合もその事実と正確な日にちを伝えなければなりません。この義務は、「雇用対策法」に規定されており、新入管法の施行以降は、オンラインで、入国管理局にもその情報が入ることになります。そのため、正しい情報を常に発信していないと、問題企業という評価を受ける可能性があり、将来外国人を雇用し、在留資格を取得していくことが困難になることもあります。

ハローワークへの報告と入国管理局への報告の判断

 今回の法改正(入国管理法と雇用対策法)で企業は国への厳密な報告義務が発生するようになりました。
 企業はこの報告を、「ハローワーク」にするのか、「入国管理局」にするのかの判断が必要となります。
 就労と退職の年月日の報告をハローワークへの電信通信の方法で登録手続きを行っていれば入国管理局に報告する必要はありません。
 ハローワークに送られた情報は厚生労働省から月に一度、入国管理局に伝送されているので最終的には入国管理局に届きます。この場合には「雇用対策法」に基づき報告期限は発生してから10日間以内となります。
 一方、ハローワークへの電信通信報告をしていないような個人事業主、あるいは外国人が自分で個人事業主になったようなケース、あるいは役員就任などの場合には、自分で入国管理局に出頭するか、郵送にて届出をするようにとのことです。この場合には「入国管理法」に基づき14日間以内に報告する必要があります。
 「雇用対策法」の日数と「入国管理法」での日数が異なるのでご注意ください。ただ、いずれの方法であっても報告を怠らないことが大切です。

不法就労について

 いままで以上に不法就労に対しては厳しい処罰が課されることになります。採用段階で、在留カードを所持していない外国人や資格外活動の届けを出さず、就労できる資格をもっていない外国人を雇用したケースなどは、不法就労助長罪による処罰を受けることになります。トラブルを避けるため、外国人との労働契約については、文書により契約書を交わすことが、入国管理局側から求められています。どの雇用契約が、どの在留カードに該当する契約か整理し、行政サイドの提示できるようにしなくてはなりません。